フッ化物によるむし歯予防法
むし歯予防のための局所的な応用は次のものがあります。(日本では、局所応用のみ)
フッ化物洗口
フッ化ナトリウム(naf) 0.05%週5回法 0.1%週2回法 0.2%週1回法があります。
1人分の洗口液量は園児5~7cc 小中学生10cc 原則として30秒~1分間ブクブクうがいをします。(予防効果は30~80%)
フッ化物歯面塗布
歯ブラシ法・綿球法・トレー法
2%フッ化ナトリウム溶液、リン酸酸性フッ化ナトリウム(apf)溶液またはゲルで年2~4回(予防効果20~50%)
フッ化物配合歯磨き剤
むし歯の減少がみられる多くの国々では、さまざまな形でフッ化物が応用されていますが、各国に共通している応用法がフッ化物配合歯磨剤です。先進諸国ではフッ化物配合歯磨剤の市場占有率が90%を超えており、我が国では2007年には88.13%になっています。子どもから大人までだれでも手軽に行えるフッ化物応用法であり、また生涯にわたっての使用が勧められる方法です。(予防効果20~40%)
フッ化物洗口法
(1)洗口の特徴
a 方法が簡単である。
b むし歯予防効果が高い。
c 対象者が多い。(施設単位で実施することによってその施設全員が対象となる)
d 安全性が高い。
e 費用が安い。
(2)対象者
歯の萌出直後に効果が高いことから、永久歯が萌出した4~5歳頃から親知らずを除く全ての永久歯の萌出が終わる15歳頃までが対象です。
ただし、洗口(ブクブクうがいを一定時間持続し、その後吐き出す)が確実にできることが実施開始の前提です。通常の生活が送れる子どもであれば、フッ化物洗口を禁止すべき疾患や体質はありません。
(3)継続期間
継続期間は長いほどよく、永久歯が萌出した頃から永久歯が生えそろう頃まで続けると、高い予防効果が得られます。
(4)フッ化物洗口の効果
フッ化物洗口した場合のむし歯の抑制率は30~80%と言われています。
予防効果を評価する方法としてよく使われるのは、その集団(施設や学年等)におけるフッ化物洗口実施前と実施数年後の永久歯一人平均むし歯本数(dmft)を比較する方法です。乳歯のむし歯本数は入れません。このとき、健診の基\準が同一で行われていることが大切です。
日本で2008年12月現在、入手可能なフッ化物洗口製剤
フッ化物塗布法
- (1)フッ化物歯面塗布の概要
- フッ化物歯面塗布とはフッ化物溶液を直接歯に塗布するもので、歯科医師や歯科衛生士など専門家が医療の一環として行うむし歯予防です。実施対象が限られることから公衆特性に劣りますが、年数回の実施により効果が得られることから、フッ化物洗口のできない幼児や障害のある子のむし歯予防手段としてその有用性が認められています。むし歯抑制効果は20~50%と言われています。
- (2)フッ化物歯面塗布実施にあたっての基礎知識
- ①フッ化物歯面塗布に使用する薬剤2%フッ化ナトリウム(n a f)溶液と酸性フッ化物リン酸(a p f)溶液がありますが2%n a f溶液は塗布回数を多く(2週間に3~4回塗布を1クール、年1~2回)する必要があるため、最近はapfが多く使われています。
a p fには、ゲルと溶液の2種類がありますが有効成分はどちらも同じで、2%n a fを含みます。
フッ化物塗布 術式のいろいろ

(1)歯ブラシ法
歯ブラシを使用することで幼児の不安を少なくすることができ、また塗布時間も短縮できることから、「むし歯予防パーフェクト作戦事業」では、原則としてこの方法を推奨しています 使用器材(例示) フルーオールゼリー(apf含有、f濃度9000ppm)、カット綿又はロールワッテ樹脂製パイル皿型容器、乳幼児用歯ブラシ

(2)綿球法
従来から行われている方法であり、フッ化物溶液を小綿球に浸し歯面に塗布する方法です。 使用器材(例示) 2%フッ化ナトリウム溶液(f濃度9000ppm)、樹脂製パイル皿型容器、カット綿又ロールワッテ、綿球(又は綿棒)、ピンセット

(3)トレー法
歯列に合ったトレーを使って(片顎3~4分)塗布